全国風穴小屋マップ

(2020年版)
発行:NPO地域づくり工房
監修:清水長正
助成:2019年度「公益信託 大成建設自然・歴史環境基金」

2.風穴を登録する

下の記入欄に質問に答えるようにして、必要なことを記入してください。内容を確認してから、このマップで紹介します。
遺構などは深緑色の印で示されます。
現在利用されている風穴小屋は紫色の印で示されます。

山地斜面の空隙から冷風を吐出する風穴(ふうけつ)の現象を利用し、小屋で囲い込んで、天然の冷蔵倉庫として利用することが古くから行われていました。蚕種(カイコの卵)を風穴小屋で冷蔵して孵(ふ)化を抑制し、養蚕の時期を延長させる方法が幕末期に開発されました。明治期における蚕糸業の振興に伴い、大正期までに全国でおよそ300箇所の「風穴小屋」(蚕種貯蔵風穴)が造られました。
 各地にあった蚕種貯蔵風穴は、農商務省によって所在地の村名字名・所有者・蚕種貯蔵枚数などが調査されました。その調査結果の文献は以下のリストからなります。

 全国風穴小屋サミット(2014年)の折、NPO地域づくり工房から発行された「全国風穴小屋マップ」をもとに、その後蓄積された現地調査資料により改訂したものです。蚕種貯蔵以降の種子その他用の風穴小屋も含みます。
 このたび2019年度「公益信託 大成建設自然・歴史環境基金」の助成を受けて、WEBマップとして構築しました。

※参考文献
・長野県蚕病予防事務所 1905年 『長野県蚕病予防事務成績』
・久保田松吉 1909年 『日本風穴蚕種論』有隣堂
・柳澤 巌 1910年 『風穴新論』秋蚕専修学校
・農商務省農務局 1914~1919年 『蚕業取締成績』
・秋田営林局 1936年 『風穴』

※注
駒門風穴(御殿場市)・鷲沢風穴(浜松市)・河内の風穴(彦根市)など地域で著名な洞穴は、過去に冷蔵利用の記録がないので省略しました。