環境アセスメントは、自然環境や生活環境など、人々が懸念する環境の変化に対する影響を予測評価し、 あらかじめ環境保全措置をとるという一連のプロセスである。 しかし、いまだに環境アセスメントは、事業をすすめる上での通過儀礼だと思っている人が多い。 そのため、環境影響評価法や条例の対象や規模に達していなければ、 環境アセスメントは必要ないと考える人がほとんどである。 法律や条例に定められた規模以下であっても、人々が懸念するのであれば、 自然環境や生活環境に与える影響を調査し、懸念を払拭するのが自主簡易アセスである。

この自主簡易アセス支援サイトは、 法律や条例で義務化されていない自主簡易アセスを実施するための敷居を低くしたという意味で、 高く評価できる。 一方で、自主簡易アセスをもっと普及させるためには、優れた取り組みを褒めるような仕組みがあるといい。 難しい注文かもしれないが、できあがった事前配慮書などに、 Good, Excellentなどの評価が出てくるようなチェックシステムができると素晴らしい。

筑波大学大学院人間総合科学研究科教授（公益財団法人日本自然保護協会代表理事）
吉田正人さん